デパス、エチゾラムなどベンゾジアゼピン系薬剤の抗不安薬・睡眠導入剤を毎日飲んでいませんか?
日本人の総人口は、平成29年10月1日の発表で1億2,671万人となっている。(内閣府)
その内、65歳以上人口は、3,515万人おり、総人口に占める割合(高齢化率)が27.7%。

出生数は毎年減っており、少子高齢化は対策を打てていない状況である。
高齢者の介護をする上で問題となる1つに認知症があります。
認知症とは:正常に働いていた脳の機能が低下し、記憶や思考への影響がみられる病気です。
認知症には種類があり
アルツハイマー型認知症、レヴィー小体型認知症、血管性認知症が3大認知症と言われています。

厚生労働省の資料では85歳以上の4人に1人が認知症と発表しており、2020年には300万人を超すと推定。
記憶力や思考力が低下すると自分の事ができなくなり、誰かが食事、排泄、入浴などに介助が必要となります。
症状が重くなると暴言、暴力をふるったり、逆に何事にも無関心になる方もいます。
東洋経済ONLAINに「薬剤起因性老年症候群」についての記事がありました。
日本老年医学会などで最近になって使い始めた言葉で、医療従事者の中でもまだ知らない方もいるくらいまだ定着していない言葉です。
薬剤の使用によって認知機能の低下(薬剤性認知障害)、過鎮静(過度に鎮静化され寝たきりになるなど)、歩行障害、運動機能低下、発語困難、興奮や激越(感情が激しくたかぶること)、幻覚、暴力、さまざまな神経・精神症状のほか、食欲不振や排尿障害といった副作用が表れるものを指します。
前置きが長くなりましたが、今回取り上げたいのは薬剤性認知障害。
健康な高齢者の方でも夜中に目が覚めたり、早朝に覚醒するようになります。これは加齢にともなう体内時計の変化と睡眠が浅さが関係しています。
病院に受診すると「最近眠れないんです。」と医師に伝え抗精神薬や抗不安薬を処方してもらう方がいます。
眠れない事は苦痛です。処方してもらう事はいけない事ではありません。
しかし、日本老年医学会はベンゾジアゼピン系薬剤の使用長期間の使用で薬剤起因性老年症候群になり認知機能が低下する事を指摘しています。
厚労省が統計をまとめたナショナルデータベース(NDB)によると、精神神経用剤としてよく知られる「デパス」は、後発品も含めた2015年度の処方量は、75歳以上の高齢者に約4億5660万錠処方していると発表。
多数の高齢者が睡眠薬を処方してもらっている現状があります。
認知症の症状のある方で睡眠薬を減薬・断薬する事で認知機能が改善し生活が自立した方の報告がありました。
ご家族やご友人の方で上記の様に睡眠薬の副作用が強く出ている方がいましたら医師に相談を勧めてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
